SE846 その3

意を決してノズル交換をしてみました。
言うほど大袈裟な作業でもないのですが、この個体の場合、片方だけやたらとネジが固くて、イヤホンを傷付けないようタオルで保護した上で、ペンチでノズルキーを挟んで回してようやく、といった手間が生じました。

そこを除けば、新品のイヤピースを外すのがひと苦労(SHURE共通の悩み)だったくらいで、ノズル交換自体は簡単にできます。
標準装備の「バランス」から「ブライト」に替えて試してみました。

「ブライト」は「バランス」で感じた音の厚みがやや控え目になり、高音がより響くようになったと感じます。
3つのノズルの中では最もSE535LTDの音作りに近いと思いました。SE535LTDの音作りで更に磨き上げたら、たぶんこうなりそう。
長らくSE535LTDを使っていたためか「バランス」よりも「ブライト」の方がバランス型とするのが相応しい気さえします。

もう1つの「ウォーム」は「バランス」より一段と音が沈み込む感じ。低音が特徴的な曲を聴くとかなりパワフルに鳴ります。ただその分、高音が物足りない気も。
心なしか、ボーカルが奥に引っ込んじゃった印象もありますね。

購入前に目を通したいくつかのレビューでは「ブライト」が最も良いという声が多く、次いで「バランス」でした。
最もその曲を素の状態で聴くのに適しているのは「ブライト」じゃないかなあと思うのですが、個人的な好みを加味すると「バランス」も捨て難いです。

やはり長く使ってきたSE535LTDの音に耳が馴染んでいるので、その音色に最も近い「ブライト」が標準的に感じている、というのはいくらか理由としてあると思いますね。
「バランス」と「ブライト」はどちらとも選び難く、気分次第で替えてもいいような気がしています。

実際に試す前は、こんな簡素なパーツ交換でどれほど音が変わるのか(と言うより、自分の耳で違いが分かるほど変わるのか)疑いつつのノズル交換でしたが、思いの外変化を感じられて驚かされました。
複数のノズルが気に入ったのなら、SE846は1つのイヤホンで2つも3つも楽しめる、という考え方もできるのではないでしょうか。そう思えば、フラグシップのイヤホンとしては、凄まじくリーズナブルと考えることもできなくもなくなくないかも。