容疑者Xの献身

容疑者Xの献身
ガリレオシリーズもようやく3冊目。
実のところ、この1冊が読みたくて、前作2冊も買ったようなものなのだ。
映画を見に行っても良かったけど、原作を読みたいという気と、値段は安く時間は長く楽しみたかったという気が、映画を上回った。

まだページ数としては冒頭だが、構図としては実に興をそそる。犯人がガリレオこと湯川並の知能と洞察力と冷静さを持っているのだ。
解り易く言えば、金田一 一と江戸川コナンがそれぞれ探偵役と犯人役を務めるかのような高度な戦いが期待できる。
更に、犯人側の心情も理解でき、探偵と犯人、双方とも負けないでほしいという矛盾した感情もあったりする。

小説って結果どんなに良くても、最初の1ページはマラソン大会のスタートのように重い。
初めの数ページでいきなり面白く読める小説は、非常に稀なのである。
この小説はそんな稀有な1冊であり、次のページが、結末が楽しみで仕方がない。