HT-CT790 その2

現代のホームシアターでは標準装備らしいBluetoothが搭載されたのが嬉しいです。
しかもオーディオ機器から受信して音を出すだけではなく、ワイヤレスヘッドフォンなどに送信してテレビの音声を聴くこともできます。これは下位のCT380ではできないみたいですね。

ですが、このBluetoothモードの完成度は疑問符が付くものでした。
テレビに表示されるメニュー画面を見ながら操作する形なので、テレビを消した状態だとCT790側でオーディオ機器の変更ができません。
リモコンにBluetooth関連のボタンが2つもあるのに、1つはペアリング専用、もう1つは受信・送信の切り替え用で、オーディオ機器の切り替えができないというのがひどい。ペアリングなんかそうそうやらないのにね。

一方でオーディオ機器側のBluetoothをONにしたら問答無用で繋がる仕様が厄介。
テレビを視聴中でもその音声を切断してBluetoothモードになるし、他のワイヤレス機器、例えばヘッドフォンに繋ぐつもりがうっかり電源が入っていたCT790に接続されてしまうといった不都合が生じたりします。

CT790をBluetoothモードにしたら取り敢えずペアリングしようとする挙動も問題です。
ここで繋がるオーディオ機器が見付からないと、ペアリング作業を中断するまでオーディオ機器を選択することすらできません。(iPodはこの自動ペアリングでは繋がらないらしく、テレビ画面を見ながらの操作か、iPod側で接続設定しないとダメ)

更に接続完了後も、たまぁーに音が途切れることがあります。
外付けのUSBアダプターに問題がある可能性があることをお断りした上ではありますけれど、PCとの接続は特に不安定な様子。

おそらく複数のオーディオ機器と、複数のワイヤレス機器とを併用する状況を想定していないのでしょうね。
iPodのような接続にひと手間掛かるデバイスの存在も無視されている感じ。(他のワイヤレス機器だとiPodはむしろスムーズに繋がり、安定性も高い方なのですが…)
Bluetoothに関わる操作性は劣悪と言わざるを得ません。かなりがっかり。

これはあまり困らないですが、音の詳細設定ができませんね。先代は勿論、CT380でも可能なはずなのに。
発売時期が近い上位機種でも同様の仕様らしく、どうやら最近の機種では一様に削除されてしまったようです。

総じて細かいところが行き届いていない、と言うか、できて当然だろうということができない印象。
特に操作面はテレビ画面を見ながら行うことを前提に作られ過ぎている感があり、融通が利かないところが見受けられるのが残念です。

つまらないところで印象を悪くしているのが悔やまれますけれど、純粋にテレビの音質を高めるためのホームシアターとしては悪くない機種ではないかと思います。強いて言えば長い。
あとはケーブルが減ってテレビ裏がスッキリしたのは大きいかな。先代はスピーカーに繋がっているものだけで3mくらいのケーブルが6本も伸びていましたから酷い有様でしたよ。

テレビのHDMIがARCに対応していたら、もっと便利に扱えたかもしれないのが惜しいですね。
これまた10年前の古いプラズマテレビなので、テレビもいずれ一新したいものです。今だったら同型でも占有スペースが小さく、且つ4Kでも安いときてる。欲しい。