たまには漫画のお話を

ここ数年は本棚のキャパシティーが限界を迎えつつあったことで、漫画の購入が極端に減っていたのですが、電子書籍の導入とクーポンで安く買えたことに調子に乗り、新規の作品をいくつか読み始めました。
その中から一部かいつまんで並べてみます。

・ステラのまほう
女子高生たちが部活動で同人ゲームを作るお話です。
アニメで知った作品でして、アニメ化された序盤は日常系や萌え系の色が強かったものの、その後は徐々に人間らしいネガティブな面も見せ始め、ゆるふわシーンばかりではなく、時には意見がぶつかったり気まずくなったりして、最近の話数では青春ものと言って差し支えない内容になっています。ワタシは今の感じの方が好みです。願わくはアニメでも見てみたい。

・星野、目をつぶって。
根暗で日陰者の主人公と、同じクラスで高い人気を誇るギャルでありながら、実はメイクで彩られた別人のような素顔で、生来の地味顔にコンプレックスを持っているヒロインのお話です。
主人公は周りの人間に対して内心毒づきながら距離を取る残念な少年なのですが、その一方で熱い心と一歩を踏み出す勇気を持っていたり、ヒロインは困っている人を見掛けたら黙ってはいられない清廉な人物だったり、登場人物それぞれに意外性があるところに惹かれました。
また、前の話数で脇役として描かれていた人が後に名前と重要な役割を持って再登場するといったこともあり、そんな意外さも楽しめます。なにより、すっぴん姿のヒロインがかわいい。

・寄宿学校のジュリエット
「ロミオとジュリエット」を基に、架空の世界を舞台にした学園ラブコメです。絵がとても綺麗でラブコメらしいニマニマする展開と相まって、男性キャラも含めて登場人物たちがやたらとかわいらしく描かれています。
あまり適当なことは言えませんけれど、ラブコメってヒロインがかわいいのは当たり前なので、男性主人公に好感を持てるか否かが命運を分けるのではと考えるところがあって、その点、本作は間違いないと思わせる魅力がありますね。

・はねバド!
高校女子バドミントンのお話。スポーツ漫画の主人公としてはあまり見ないタイプでして、普段はいわゆるアホの子でありながら、バドミントンに関しては天才型で、試合となればチームメイトだろうと格下であろうと一切容赦しない攻撃的な面を見せ、シーンによっては近寄り難い敵役のような畏怖をまとっています。
単純に作品が面白かったのと、作者が以前、別の出版社で連載していた作品を当時読んでいたことを知り、勝手に縁を感じて手に取りました。
※追記 今夏アニメ化が決定したそうです。めでたい。

・君が死ぬ夏に
ミステリーとサスペンスと青春とファンタジーと、様々な要素が含まれている作品です。
未来からやってきた幽霊のヒロインと共に、現在を生きるヒロイン(生身)に今後訪れるであろう危機を回避して、悲しい未来を変えるためにがんばるお話。
端折り過ぎて伝わっていないことでしょうけれど、事件或いは事故に“幽霊”と“タイムトラベル”が絡んできて、少ない文字数では説明し切れないほど複雑。それだけに先の展開が読めなくて楽しいです。

・彼方のアストラ
同作者の「SKET DANCE」が好きだったので興味を持ちました。今回挙げた中では唯一、完結しています。
宇宙を舞台にしたSF冒険譚で、学生だけでとある惑星で数日キャンプをするだけの予定が、突如出現した謎の球体に飲み込まれ、遥か彼方遠方に飛ばされてしまい、すぐに帰れる手段はない、救助も望めない、さあどうしましょう。というお話。
ストーリーが進むにつれて、この事態を引き起こした何者かの思惑が見え始め、きな臭い雰囲気と緊張感が出てきて実にそそられますね。
終盤の怒涛の伏線回収も凄まじいのですが、このピリッとした空気感を人死にで演出していないところにたいへん好感が持てます。

・CITY
「日常」で知られるあらゐけいいち氏の作品です。相変わらず、あらゐけいいちワールドが炸裂しています。