夏が近付くといまだに新作が発表されないかと、ほんのり期待してしまうのが、ぼくのなつやすみシリーズです。
ぼくのなつやすみポータブル2の発売から、もう8年以上経ってしまったのですけれどね。
シリーズで初めてプレイしたのが、PS2のぼくのなつやすみ2でして、当時流れていたテレビCMがたいへん印象的で、購入に至ったゲームでした。
全シリーズプレイしているわけではないですけれど、ぼくのなつやすみ4と、ぼくのなつやすみポータブル2は特にやり込んだ記憶があります。
ちなみに、ぼくなつポータブル2は、ぼくなつ2のリメイクで、追加要素があるものの、大筋の流れは同じです。
更にちなみに、ぼくなつ4の後に、ぼくなつポータブル2が発売されています。共にハードはPSPです。
どんなゲームかと申しますと、田舎の親戚の家に1人預けられた小学生の主人公が、8月1日から8月31日までの夏休みを思う存分、満喫するというもの。
登場人物や場所に違いはあるものの、ゲームの概要はシリーズで共通しています。
何をするかはプレイヤー次第。主に、町の住人たちとのふれあい、近所の探検、虫取りで昆虫採集や友達と虫相撲をしたりと、田舎に来た子供の夏休みらしい日々を過ごします。
条件を達成すると見られるイベントが無数に存在しますが、それらをガン無視しても問題ありません。どう過ごそうとも、8月31日まで到達すればエンディングを迎えられます。
とは言え、用意されているイベントは1つでも多く消化したいと考えるのがプレイヤー心理としてあるでしょう。
ところがけっこうしっかりスケジュールを組んで行動しないと見過ごしがちで、想像以上に余裕がありません。
ただそれも、長い夏休みに思えて、いざ過ごしてみるとあっと言う間という実体験を彷彿とさせてくれます。
タイトルによってはマルチエンディングを採用しているのですけれど、ワタシはエンディングの内容よりも、それまでにどう過ごしてきたかの方が重要なゲームだと思うのです。
結果よりも経過が大事で楽しみだとは、どんな作品でも思うのですけれど、ぼくなつシリーズはよりその比重が重いと感じます。
はっきり言ってしまうと、エンディングは皆とのお別れシーンで、この点はどうプレイしようとも変わりません。
でも、このシーンに至るまでに、誰とどんな交流をしてきたか、どのような体験をしてきたかによって、受ける印象が全く違うはずです。
シリーズの中でも特に印象深いイベントが多いのが、ぼくなつ2(ぼくなつポータブル2)なんですね。
更にその中でも、CMにも採用された病室のシーンは、ゲーム史に永劫残したい名シーンです。
「…ねぇキミは悲しいこと、平気かな?」
「えっ、どういうこと?」
「いや、やっぱりなんでもない…」
という、僅かなやり取りだけで、グッと引き込まれましたもの。
ぼくなつ2はちょっぴりしんみりするシーンがあちこちにあって、尚且つ前向きになれる活力を感じられるのですよ。
ちょっとだけ他のシリーズよりシリアスな印象があります。
大人たちの物語りに子供の主人公が悪気なく突っ込んで行くギャップがよくて、大人だと遠慮しちゃう場面でも、事情が分からない子供だからグイグイ口を出してしまう。
そこで言われた大人も、子供相手だからとポロっと本音を出す。っていう構図が随所に見られて、それがまたいじらしいのですよねえ。
年代はぼくなつ1〜3が昭和50年、ぼくなつ4が昭和60年で、この辺りの昭和の時代背景が好きな人は堪らないと思いますよ。
近年のコンシューマゲームで、昭和の日本をじっくり描いたタイトルってあんまりないように思えるので、今こそ新作が登場したら存在感が出せそうな気がするのですけれどねえ。新作遊びたいなあ。